トランジスタ回路の設計 4日目
- 低電源減圧・低消費電流増幅回路
ダイオードでの電圧降下を0.6Vとしてしまっているのが、納得いかなかった。
センサ道場が参考になる
http://www.netdecheck.com/coffee_break/dojyo/002/index.html
ダイオードを流れる電流は電圧に対して指数関数的に増加する。
逆に言うと、多少の電流の大小は電圧にほとんど影響しない。
だから、どれだけ電流を流しても電圧降下は0.6Vという近似は妥当。
ダイオードが壊れるまで電流を流した場合、電圧はどれくらいなのかな?
- 二相信号発生回路
バランス伝送路の駆動用。
駆動する回路の出力インピーダンスが低くないと駆動できないらしい。
出力インピーダンスがRCになるコレクタ側はインピーダンス変換が必要。
回路構成はほとんど同じ。エミッタからも出力が取り出されているだけ。
ただし、抵抗などの値はかなり違う。
バイアス電圧の値に注意。真ん中あたりにしないとクリップしやすい。
この回路は増幅しない。入力信号に対して、正相の信号と逆相の信号を出す回路。
増幅市内ので、hfeは不問。
- ローパス・フィルタ回路
コレクタ負荷抵抗にコンデンサを並列に接続することで、
利得に周波数特性を持たせられる。
周波数特性を持つ=周波数によって利得が異なる
- 高域増幅回路
これは図29の回路とほとんど同じ。
違いはエミッタに接続されているキャパシタの値。図29は47uF。図33は0.033uF。
1000倍程度異なる。47uFであればfcがかなり低いのでほぼDC以外の周波数
では接地されていると見なせるのだろう。
- 高周波・広帯域増幅回路
通常のエミッタ接地増幅回路と同じだが、高周波では利得は低くなる。
- 140MHz帯同調増幅回路
コレクタ負荷を並列共振回路にすることで、周波数選択的に増幅できる。
- hFEの話
電流増幅率はエミッタ接地のときのである。
hFEは結構ばらつく。出荷するときにランク付けされる。
高周波用ではhFEは特性にあまり影響しないのでランク付けされないことが多い。
電流増幅率が大きいスーパーベータ・トランジスタというものもある。
第3章
出力を強化する回路
[エミッタ・フォロワ回路を実験する]
エミッタ接地増幅回路は出力インピーダンスが高く、負荷の影響が大きい。
→あとでしらべる
エミッタ接地回路の入力インピーダンス、出力インピーダンスの計算方法は
この本ではまだ示されていない。
エミッタ・フォロワ回路はモーター、スピーカーなどを駆動するために用いられる。
→駆動するが抽象的。やはり電子回路に限らず熟練していくと感覚的に理解できるように
なるので、人に教えるには不向きになりやすい。
3.1 エミッタ・フォロワの波形を見る
- 入力と同じ出力信号だ
エミッタ・フォロワは増幅しないのでコレクタに抵抗をつけない。
つけた場合はただロスになるだけ。
順方向電圧低下=ビルトインポテンシャル
ベースバイアス電圧が7.5Vよりも少し低いのは、R2に入力インピーダンスが並列接続されているから。
R2に流れる電流が少し減ることにより、ベースバイアス電圧が下がる。
- 負荷抵抗の影響を受けない
負荷抵抗と、エミッタ抵抗との並列接続になる。
また、エミッタ電位はベース電位のみで決まる。
voの値はREとは無関係。
負荷抵抗を変えても出力電圧が一定=出力インピーダンスが0
3.2 回路を設計してみよう
- 電源電圧を決める
エミッタ・フォロワの電源電圧は最大出力電圧に対して、少し大きい程度で十分。
- トランジスタを選ぶ
無信号時のエミッタ電流を最大出力電流よりも大きくしておく必要がある。
→(理由は後述)
→
- トランジスタのコレクタ損失を計算する
コレクタ損失はトランジスタの最大定格内に入っているか確認するために計算する。
電力用のトランジスタは放熱器をつけたときの定格を表示していることがよくある。
- エミッタ抵抗REの決め方
エミッタ電位とIEが決まれば、REの値が決まる。
- バイアス回路の設計
誤差が4%なので無視してよい。
→これがどの程度許容されるのかの見極めが重要かな?
回路が使われる分野によっても、許容される誤差が変わってくると思う。
- コンデンサC1〜C4の決定
エミッタ・フォロワは周波数特性がよく
利得が高いってこと?
入出力信号が同相。
ベースのインピーダンスが高い。
エミッタからベースへの正帰還により発振しやすい。
とくに小容量のコンデンサ(C3)は、コレクタのすぐそばからエミッタ抵抗REが接地されている点の間を最短距離で接続するようにします。
理由が示されていない。調べる。
3.3 作ったエミッタ・フォロワの性能
RSは信号源の直列抵抗。
1kΩの負荷では利得は1のまま。
だから(?)出力インピーダンスは0になる。(厳密には数Ω)
エミッタ接地、ベース接地増幅回路の出力インピーダンスを下げる目的で、
使われることがある。
インピーダンスの低い負荷を接続した場合負側が歪む。(NPNのとき)
交流的に見ると=出力のキャパシタをショートしていると見なせるという意味。
逆に直流的に見ると、キャパシタを直流の電流は流れることはできないので、
オープンになっている。
IEは自由に設定できる値。だから、大きな電圧が入力されてもクリップしないようにするためには、
IEを大きくする。ただし、消費電力は大きくなる。
- プッシュプルのエミッタ・フォロワにすると
プッシュプル・エミッタ・フォロワ
スイッチングひずみ、クロスオーバーひずみ
入力信号が低いとき、どちらのトランジスタも、カットオフ=動作していないため。
- 改善したプッシュプル型エミッタ・フォロワ
バイアス回路をダイオードでオフセットさせた。
(オフセットも最初は理解できない言葉だった)
- 振幅周波数特性をみると
電圧利得、位相ともに一定値。
ミラー効果が発生しないため、周波数特性は良好。
- 雑音および全高調波ひずみ率は
エミッタ接地増幅回路と比べて雑音は小さい。
これは雑音は利得が上がると増えるから。
3.4 エミッタ・フォロワの応用回路
- NPNトランジスタと負電源を使ったエミッタ・フォロワ
エミッタ・フォロワは負電源でも使用可能。
- PNPトランジスタと負電源を使ったエミッタ・フォロワ
これでも使用可能。
- 正負電源を使ったエミッタ・フォロワ
ベース抵抗値だけで入力インピーダンスが決まるので便利。
バッファ・アンプによく用いられる。
バッファ・アンプ(利得が0dBでハイ・インピーダンス受け、ロー・インピーダンス出しというインピーダンス変換を行うアンプ、緩衝増幅器とも呼ばれる)
バッファアンプの定義はなかなか載っていない。バッファアンプという名前はその機能からつけられているのだろうが、利得が0dBインピーダンス変換するという定義。ただ、少し曖昧な言葉だと見受けられる。分野によって、少し意味、定義が違ってたりすることもあるかも。
- 定電流負荷を用いたエミッタ・フォロワ
エミッタ抵抗の代わりにトランジスタで作った定電流源を使う。
「負荷が重く」
「大きな電流を吸い込む」
曖昧。電子回路は感覚的な表現が多い。負荷のインピーダンスが大きいとかの表現にすればいいのに。
負荷が重い=負荷のインピーダンスが低い
重い⇔低い だから勘違いしやすいと思う。
もしかしたら定電流源として使ってるTr2を流れる電流は消費されてないのか?
この本の記述からだけだと理解できなかった。要調査。
回路図を少し見ただけでは、プッシュプルと間違えてしまうかも。
定電流源を使った回路と、プッシュプルの見分け方は、
定電流源はどちらもNPNトランジスタ。それかどちらもPNPトランジスタ。
プッシュプルはNPNとPNP異なるトランジスタを一つの回路で使う。
- 正負電源を使ったプッシュプル型エミッタ・フォロワ
入出力のカップリングコンデンサが不要。
厳密に直流電圧は0にならない。
- 2段直結型のプッシュプル・エミッタ・フォロワ
直流が扱える。
高周波特性がよい。
ビデオ信号のバッファアンプ。
レーダーの信号処理。
高速広帯域オペアンプのバッファアンプ。
電流帰還型オペアンプの正相入力のバッファアンプなどに使われる。
図19と図20を比較してみるとよいと思う。
出力に近い側のエミッタ・フォロワにはエミッタに抵抗がついていない。
これはTr3,Tr4でプッシュプル・エミッタ・フォロワを構成しているから。
図19ではコレクタに電流が流れていないが、図20ではコレクタに1mAの電流が流れている。
- OPアンプ+エミッタ・フォロワ
回路の出力電流を大きくする。
OPアンプの動作がわからないので、とりあえず保留。
- OPアンプ+プッシュプル・エミッタ・フォロワ(その1)
小型モータ、コイル、アクチュエータの駆動用に使う。
OPアンプの帰還のおかげでスイッチングひずみが小さい。
- OPアンプ+プッシュプル・エミッタ・フォロワ(その2)
エミッタ・フォロワをダイオードでバイアスして、スイッチングひずみを発生させない。
オーディオ回路、直流モーターの精密制御などに用いる。